2009年7月19日日曜日

Rain

Wim Wenders "Rain"

まさに名匠ヴェンダース監督の職人芸。素晴らしかった。

アメリカの地方都市、クリーヴランドを舞台に、三日間降り続ける雨とラジオ局から流されるジャズ・スタンダードの中で6人の人間のそれぞれの人生の一場面が静かに、でも鮮やかに展開される作品。チェーホフの短編をもとにしたらしいけど、それが信じられないくらい、(僕のイメージでの)現代アメリカのものすごくリアルな人間群像が展開されている感じがしました。

作中の6人の主人公は、それぞれが袋小路に陥っていて、延々と降り続く雨の中で悩み、もがいていて、本当に救いがないように思える部分もある。でも、雨がついに上がった朝に、それまでの苦しみや葛藤が彼らを連れ出した地点っていうのは、それほど劇的とはいえなくても、すがすがしくて、なんだか笑いがこみあげてくるくらい人間らしい。

観終わった後に、まさに雨が上がったときに空を見て感じる心のかすかなふるえみたいなものを残す映画です。静かな余韻がとても気持ち良い。こういう映画ってなかなか巡り合えないだろうなー。

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