2009年7月14日火曜日

It's the end of ASO -as we know it-


The inept captain of a sinking ship
Tobias Harris
Foreign Policy July 9, 2009

翻訳すると、「沈みゆく船の無能な船長」という感じになる。こういう辛辣さって気持ちが良いですw。出だしの文章だけ翻訳してみよう。

G8の会合に出席するためにイタリアへ向かう前、日本の総理大臣・麻生太郎は7月12日に行われる東京都の都議会議員選挙に先立って、何度か街頭に立った。日本の首都、東京郊外のとある会場では、自身に与えられた奈落の底みたいに低調な支持率に押しつぶされたかのように彼は特にくたびれて見えた。彼は聴衆を途方に暮れさせた演説の中で、有権者はチェンジを求めるよりも、彼らの知る「悪魔」にしがみつくよう訴えた。
ある横断幕に何て書いてあったかって?
「完璧な人間なんてどこにもいない。」

横断幕の一文は何かしらの感動をそそるとしても、麻生総理大臣の時代は間もなく終わることに間違いない。でも、残念ながら昨年のアメリカと違って、日本の有権者にはオバマ氏のような輝かしい選択肢は与えられていない。正直に言って、何をどうすれば日本の政治は良くなるのかという疑問に対する具体的、実行可能なプランが誰かの頭にあるとも思えない。それでも、たとえ方向付けがなくとも、チェンジを必要として民主党に一票を入れたいっていうのが世論なんじゃないかなと思う。
実際僕は、先週の日曜日に都議選S区でそんな投票をしたばかりですw。

たしかに、具体的な道筋は見えないけれども、どんな政治が、どんな政治家が必要なのかを考えさせてくれるとても良い記事を日経ビジネスで発見しました。

「経済危機は9つの顔を持つ」 竹森俊平
ジェラルド・カーティス氏と「政治という日本の弱点」を議論する
民主党は単独過半数を目指すべき
テレビの前の国民を説得する努力を

ここで経済学者竹森俊平のインタビューを受けているのは、アメリカにおける日本政治研究の第一人者であるジェラルド・カーティス氏。彼の主張をいくつか抜き出してみる。

・かねてから批判の対照になりがちだった自民党内の派閥争いは、実質的に党内で政権交代を実現させていたようなダイナミックなシステムであり、社会にとって有益な仕組みだった。まずいのは、それが今、全く機能しなくなっていること。

・官僚を排除して政治を行うという民主党の主張はナンセンスだ。どこの国でも政権は官僚を使うものであり、官僚をどう使いこなすかということを考えるのが政治家。つまり、監督責任のある政治家が、官僚批判をするというのは自分たちが何もできないと白状しているようなものだ。

・日本には二大政党制はそぐわない。アメリカには、人種問題とか貧富の差の問題、あるいは外交問題についての態度で、はっきりした亀裂があり、その亀裂の両側に政党ができている。そして、その亀裂があまりにも定着しているために、ときおりある議題でコンセンサスに至っても、二大政党が消える恐れはない。だから重要な議題において超党派的な合意を形成できる。自民党と民主党にそれほど違いがないのは、日本人の間でそのような亀裂が今のところ存在しないから。お互いに「反対のための反対」を継続しなければいずれかの党が瓦解してしまう恐れがあり、その「存在の危機」が常に両党の合意の足かせになる。だから重要な議題においても超党派的合意を形成し、重要な政策を推進することができなくなってしまう。社会的分裂がないというのは、実は非常に良いこと。だからそれを考慮して、よりふさわしいシステムをつくっていく必要がある。

・日本人はヨーロッパ並みの福祉とアメリカ並みの税負担の二つを求めているが、それは実現不可能だ。どちらかを選ばなければならないことを、日本の政治家は正直に打ち明けるべき。うまく説明すれば日本の国民は納得するのではないか。

・政治のリーダーが持つべき最も大事なものは説得力。オバマ氏の素晴らしいところは、厳しい事実を国民に打ち明け、絶対にぶれないところ。だから経済指標が悪くなる中でも、アンケートではより多くの人が「アメリカは良い方向に向かっている」と回答してきている。日本の政治家は原稿を読むことはするが、「語りかける」ことをまったくしない。

・日本では政治報道について、マスコミの反省も必要。政治部の記者たちが書かされているのは、主に政局の話であって、政策のことではない。真に必要である情報を伝えきれていないように見える彼らこそ、「55年体制」から脱却できていないのではないか。

・政治家にはマニフェストを出させるよりタウンミーティングを行って、自由に答弁をさせるべき。マニフェストはただのリストであり、あまりにも官僚的すぎる。アメリカでもマニフェストに相当するプラットフォームはそれほど注目されない傾向がある。日本の政治家がオバマに見習うところがあるとすれば、それはテレビの前で国民に向かって分かりやすく話をすることだ。

長くなったけど・・・いや、ほんとにそういうことなんじゃないかと思いますよ、僕はw。
上記はカーティス氏の日本政治への処方箋の部分だけを抽出しているんだけど、氏は今このときに責任を負う「大統領」としてオバマ氏が成功するかどうかには懐疑的な視点を欠かしていないし、それに関連してアメリカの政治システムの弱点を日本と同じくらい指摘しているので面白いです。何よりそれを平易な言葉で語っているのがすばらしいです。

最近よく1年前の今の時期を思い出す。
ワシントンDCにいて、インターンを粛々とこなしていたけど、街がほんとにきれいでわくわくして、それに、テレビでヒラリー・クリントンとオバマのスピーチをルームメイトたちと一緒に見て、けっこう泣きそうになっていたあの季節。
政治の、選挙のプロセスって、本来自分たちの生活やアイデンティティに深くかかわるものであるはず。それに候補者たちが織りなすものすごくリアルなヒューマン・ドラマのはずだ。
たまのお休みに、もろもろのエンターテイメントを1時間諦めて投票所に行くには、やっぱり選挙がその分僕らを楽しませてくれなきゃダメなんじゃないかと思います。

最後に、カーティス氏の日本政治に対する辛辣な言葉を。
「日本のような偉大な国は、もっと立派な政治を期待する権利がある。」

そういうこと!

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