前回のエントリーの図を思い出しながら読むとかなり興味深い。なんせMallabyはこう断言しているのだ。
"Geithner is correct that China manipulates its currency. What's more, this manipulation is arguably the most important cause of the financial crisis. "
中国の為替介入こそが、金融危機の最も重要な原因だと。それなら、10分間のスライドで説明されていた規制の失敗や、Fedの過度な金融緩和は原因とは言えないのか?
Mallabyはこう説明している。
・米国の規制の失敗について
失敗は存在した。だけどそれは、長い間存在したものだ。mortgage bubbleがありえない水準まで膨らんだのは2005年から2007年。中国が、世界に割安な資本を溢れさせた時期だ。それに規制の失敗は一つだけじゃなかった。SECはBear Sternsのようなブローカー・ディーラーのリスクをチェックできなかった。米国の保険監督機関は、AIGの崩壊を防ぐことができなかった。Fedは銀行がtoxic securitiesに資本を注入しながら、それをバランスシートに載せていないことを見抜くことができなかった。一方で欧州の監督当局も似たようなものだ。彼らは最新の資本基準を採用していたのにも関わらずだ。つまり、教訓は、割安な資本の洪水に直面したときには、どんな規制を持ってしてもバブルを防ぐことなんてできないっていうことだ。
・アメリカの過剰なローン需要について
もしアメリカの飽くことを知らないローンへの欲求が中国の資本のアメリカへの流入を説明するのなら、私たちはその証拠としてそのようなローン価格の向上(つまり債権市場における利率の向上)を見ていたはずだ。しかし、00年代中ごろ、債権の利率は非常に低かった。これは、融資の”需要”ではなく”供給”が増えたことを示す強い証拠だ。中国マネーがアメリカに洪水のように押し寄せたのは、アメリカ人によるプル要因のせいではなく、中国におけるプッシュ要因のおかげなのだ。
・Fedの過剰な金融緩和について
Fedの金融緩和は本当に過剰だった。だけどより高い利子率を採用していれば、危機を防止できたかは疑わしい。中国が一度資本を輸出するということを決めたなら、資本は世界のどこかに行かなければならないからだ。アメリカの利子率がもし高かったならば、それは世界の預金者たちにより多くの資本をアメリカに持ち込むことを促していた可能性さえある。
最終的に、Mallabyは「中国は過失を言い逃れすることはできない」とまで言っちゃっています。ものすごくprovocativeな記事。僕が中国政府だったら、Washington Postにはアクセスを禁止したくなるかもw。前回の民主化の記事と併せて。
Mallabyは、The Economistにて記者としてのキャリアをスタートして、Washington Postの編集委員にまで上り詰めた生粋の経済ジャーナリストみたいです。現在はCouncil on Foreign AffairsでGeoeconomic Studiesの部門に入っているみたいなので、同様に現在の金融危機と世界の経常収支不均衡のリンクを以前から示唆していたBrad Setserの同僚みたいです。
この経歴と、この発言にかなり納得。
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